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2023/12/24

C8 がやってきた

  
2023/10/27 14:02:48UT Tokyo
MAK127, PM2.5, IR/UV cut, ASI462MC

光学的に口径の大小による解像度の差は如何ともし難いのは自明で、もっと木星の模様を見てみたいという誘惑には勝てませんでした。

口径が 30cm 近くなると一昔前の探査機レベルの画像が得られそうですが、さすがにそれぐらいになると重量があるので今の架台 AZ-GTi には搭載できず、重くなると出し入れのための機動力が落ちる心配があるので、AZ-GTi でギリギリ運用できるサイズ、、となると C8 が妥当と判断し、C8 の中古を物色してました。新品はお値段的に厳しいし、買ってみたものの使いこなせないと泣くので。

ちなみに MAK127 以外だと子供向けの安っすい入門用の 6cm 屈折しか扱ったことがなく、シュミットカセグレンの分解掃除なんて無理なんで、カビなどが無い比較的綺麗なブツを探しました。

手前 MAK127 奥 C8

到着してみると当たり前だけどデカい。D=203mm, F=2000mm。期待通り光学系はとても綺麗だし、本体も擦れたあとや傷もほぼなくて古いのにとても丁寧に扱われたであろうとても良い鏡筒です。しかし付属のスライドバーが鉄の塊で重い。剛性はあるんでしょうが、AZ-GTi の許容重量のためには厳しい。また、そのままでは AZ-GTi に搭載できなかったので、手持ちの SVBONY のスライドバーをこのスライドバーに組み合わせて搭載できるようにしました。

しかし、得られる像については実際見てみないとわからないので到着した晩 (12/21/'23) は晴れてたので早速木星を導入してみました。結果、


あれれ。。

もやっとしすぎ!まじかよーと思いつつベテルギウスを導入して、光軸調整を試みます。光軸調整なんて初めてで、よくわからんけど、というより、まずオレンジのキャップの外し方がわからない!補正板の真ん中にオレンジのキャップがあるんだけど、どうやって取るんだ。。ググるもドライバーでこじ開ける?とか。結局補正板を触らないよう気をつけながら、持っていたプラスチック製のこじ開けるための棒?みたいなのでこじあけました。二つの爪で止まってるんですね。外すのに少々力がいるのでビビりました。

オレンジの蓋の裏側


光軸調整は初めてなのでこれまたドキドキしながら。PC の画面にピントを外してドーナツ状になったベテルギウスを表示しながら調整です。あと色々な光軸調整のブログ見ながら。ちょっとネジをまわしただけでも像がズレるんですね。AZ-GTi でちょこちょこ導入しなおしもしましたが、FireCapture の Autoguide を ON にしてたので、多少ズレたのは助けてもらえたかなと。最初はだいぶズレていたようで、この時点でどうにかドーナツがほぼ均一の同心円になるようにはできた感じです。ネジの調整は単に全部締めてくとか緩めてくだとよろしくないっぽいので、一つ右に回して、思った方向にいってるっぽかったら、残りのネジ二本は逆の左に両方とも回すようにした方が良さそう。この時点で再度木星を導入してみたものの、シーイングが酷すぎて光軸が合っていないのか、ピントが悪いのか、それともシーイングが悪いのか全くわからず、とりあえず撤収しました。

改めて 12/22/'23 の午後、そもそもちゃんとピントが合うのかわからなかったので近所のファインダー調整用につかってるマンションの赤色灯を見てみました。そしたら像がめっちゃゆらゆらしてビビりました。これが筒内気流か。。早速ダイソーに行って、防災用のアルミシートを買ってきました。銀巻きは放射冷却を抑えるため、、のようで薄手でも十分だとかかんとかで、とりあえずこのシートを巻き巻きしてみました。しばらくしてみてみると温度順応もあってかだいぶ落ち着きました。しかしやや振動が気になるなぁ。さてどうなることやら。いずれにせよ木星狙いなら多少の振動は目をつぶれるかな。
折角外に出したので温度順応がてら外で作業。両面テープを使って巻いていきました。


12/23/'23 の夜、シーイングは期待できなかったけどとりあえず出陣。木星を導入してみるとそこそこ見えてますが、光軸調整がうまくいってるのかわかりません。木星を撮影してみて、ASI462MC と PowerMate 2.5 をつけたまま月を見て撮影してみます。こんなもんかなーと思いつつ、ちょっと思い直して木星の衛星を使って光軸調整する方法を紹介している方がいたなと。改めて木星に戻って衛星がリング状になるようピントをずらしてみると衛星のリングの一点に瘤(こぶ)がついたようになってます。もしやこれか?と光軸の再調整をしてみます。いじってると瘤が無くなるのではなく増えてリングに均一に瘤がついたのでこれでいいのかなーとそこで調整終了。改めて月面を見てみるとさっきよりシャープに見えるようになりました。多分調整オッケーということで撮影してみます。

クラビウス
30sec, 25% stack

シーイングの問題もあるのかもしれませんが、MAK127 で撮影した画像より明らかに解像度が上がってます。

この後、ツイッター(X) で木星がシャープに見えるようになったとの情報を受けて、慌てて木星を再導入して撮影したのがこちら。

2023/12/23 10:10.9UT Tokyo
C8, PM2.5, IR/UV cut, ASI462MC

冬でシーイングが悪化しているはずの季節のなかやばくない?な画像が得られました。次のシーズンが楽しみです。

なお AZ-GTi で C8 の重量で運用できるのか心配でしたが、どうにか制御できてる模様。ただし倍率のせいなのか、重量のせいなのか明らかに振動には弱くなったようで、家の中でドタドタ歩くと像が暴れます。また FireCapture の Autoguide は効くものの、調整必要かも。AZ-GTi をマニュアルで制御してもちょっと反応違うんだよね。

とりあえず ROI を広げて多少暴れても拾えるよう対処したけど、その分 FPS が落ちるので嬉しく無いです。オフシーズン中に試せることは試しておこう。寒いのでやらないかもしれないけどw
2023/12/25 9:01.5UT
後日撮ったもの。C8 すごいっす。というかオフシーズンなの??


2023/12/15

M42 を撮ってみたい(その2)

その1に続いてのその2。

我が家の適当環境でもそこそこ撮れた気がしましたのでその2続編です。

 M42 オリオン大星雲は年に1、2回チャレンジするのですが、うまく撮れず、すぐに諦めるということを繰り返してます。これを書いてる2023年は夏から冬に至るまでずーっと木星を撮り続けるというルーチンを繰り返してたので、オリオン座が拝めるようになったもののなかなか M42 を撮影しようとする気も起こらずで、ようやく重い腰を上げて今シーズン初のチャレンジとなりました。

都内の住宅街からの撮影になりますが、最近は光害を物ともせずに素晴らしい撮影をされる方々が沢山いるので、それぐらいのハンディは特殊なことではなくなってきたのかなと思います。




これが成果です。その1の頃に比べて格段によくなりました!型落ちのデジイチと普段使いのズームレンズでの撮影です。このセットでこの環境の結果なら悪く無い、ですよね?トラペジウムが潰れてるとか、そいういうのはおいといて。
ところでそろそろ Nikon のミラーレス欲しい。。。使い道無いんだけど。

さて機材は、
のみです。

流石に赤道儀は必要でした。以前経緯台モードでも撮影は試してますが、像が回転していってしまうので真ん中以外使えないのと少し長めの露出でも星が流れにくいので赤道儀あるといいです。また D750 はリング式三脚座を使って直接 AZ-GTi に載せてます。カメラはもちろんノーマル。無改造。なんにもいじってないです。電源は今回の撮影枚数程度なら多分バッテリーでも持つのですが、念の為外部電源繋いでます。
ちなみにこのズームレンズ、広角から望遠まで幅広い画角がコンパクトなサイズで使えて普段使いに便利なんです。しかしこれで最初に M31 を撮ってみた時には DSO にズームレンズなんて使えないんじゃ?と思ってました。


撮影方法は、PC に USB ケーブルで接続し、Windows の digiCamControl というソフトで、連続撮影して PC に画像を保存しましたが、他のソフトでもいいし、なんなら PC に接続する必要すら無いと思います。digiCamControl を使ってる理由は、ピントを PC から制御して、結果が Live View で確認できること、撮影すると PC に画像が転送できるので都度都度様子がチェックできることに使用してるだけで、ほったらかしでの撮影なので初期設定さえ決めてしまえば PC は不要と言えます。あと digiCamControl は D750 が制御できて(古めの機種なので相性悪いソフトもある)かつ、使い方が簡単だからというのもありました。Astro Photography Tool とかも持ってはいるんですが、digiCamControl はそれに比べると簡単なので。ちなみに PC 無し環境の場合、カメラにタイムラプス機能みたいなので、自動で複数枚数撮影できる機能あればそれでOKかと思います。

ところで今回は赤道儀(AZ-GTi の赤道儀モード)の設定はかなりいい加減でした。2スターアライメントにしたかったんですが、1スターしかちょうど良い星がなかったので(アライメント候補の星が二つ目は知らなくて暗めだった)1スターアライメントでかつ、極軸合わせもしてないというだいぶいい加減な設定でした。というのも露出時間はそんなに長くできないので、多少ズレてもわからないよねというところでガッツリは合わせこみませんでした。ちゃんと合わせた方が更にいいとは思います。もちろん最初に北に向けておくとか水平はちゃんと取るということはやってますけど、精度が高いかといえばそんなこともなく。
ちなみにアライメントは PC に繋いで PC の画面にライブビューを表示させながら行ってます。PC に繋ぐと楽な姿勢で大画面で調整できるのは便利。外部モニターでもいいでしょうね。

カメラの設定は以下の通りです。

  • ISO1600
  • Manual mode
  • f11
  • 露出時間 30sec (雑な赤道儀運用で 300mm でも撮影した星が流れないという基準)
  • 長秒時ノイズ低減 OFF
  • 好感度ノイズ低減 OFF
  • VR ON (VR 機能があるレンズは OFF にすることをおすすめ単に忘れただけ)

主なところはこんなところです。これがベストというわけではなく(もしかしたらベストなのかもしれませんが)、とりあえず今回はこの設定で撮ってみた、ということになります。ISO 感度は低めで、あとは露出時間 30sec をキープできるようかつ撮影画像が飽和しないよう絞りを絞っちゃったという(アリか?)、、

これで連続で 200 枚撮影し(最後の方雲が出てきたので 17枚ほど捨て)、キャップをして外気温のままダークを30枚、そのままシャッター速度を最高にして(D750 の場合1/4000)バイアスを30枚、PC の画面にグレーを出して、レンズを押し付けて、ヒストグラムが中央よりやや左になる程度で 30枚のフラットを撮りました。

撮った画像は Siril で処理して完了です。そのあとは何にもいじって無いです。以前はスタックと炙り出しに DSS (DeepSkyStacker) を使ってたのですが、Siril にしました。今回は総露出時間(撮影枚数x露出時間)もそこそこあったのですが、やはり Siril でのスタック以降の処理が効いてるような気がします。
Siril の使い方については ドキュメントの日本語訳を作ってくれた方がいて(その方のブログからも辿れます)、特に SIRIL の使い方スクリプト編が役に立ちました。それに従って処理しだけです。ダーク、バイアス、フラットなどの撮影方法についても前半に説明あります。とても参考になりました。ありがとうございます。

参考までに撮って出し。左が撮影開始時、右が撮影終了時。時間が遅くなるにつれて天頂近くになるのと周囲が暗くなるので撮影終了時の方が黒っぽいですね。しかも極軸合わせすらやってないので、1.5h 後には M42 がだいぶずれているというのがみてとれますね。。 orz
こんな画像でも Siril で星を抽出して、自動的に重ね合わせてくれるので全然問題無しです。あ、気を付ける点としてはピントをちゃんと合わせること。これでだいぶ違います。バーティノフマスクというのを使ってきちんと合わせられればいいのかもしれませんが、PC の画面見て、可能な限り拡大した状態で星の大きさが最も小さくなるようにピントを合わせました。


結論

なんか赤道儀あれば M42 は都内からでも普通のカメラとレンズでそこそこ写る。

というのを感じました。あと赤道儀がとは言ったもののガッツリ合わせこむこともなく適当でよかったというのもポイントです。

ところでM42 はまだいいんですが、都会だと他の天体を導入しようとすると撮影してみるまで導入できてるかよくわからないんで、アライメントがあり、自動導入ができる AZ-GTi は改めて便利だなと思いました。気合い?入れると極軸合わせもできるようだし(笑)新品買うと安くはないですが、中古ならそこそこの値段で出回ってるようです。軽い望遠鏡も載せられるので(そっちが本命ですが)、おすすめです。

しかし、単に綺麗な星雲、星団、銀河 (DSO: Deep Sky Object) を自宅で撮りたいんだったら SeeStar S50 買うというのが選択肢の一つになってきました。下手に望遠鏡などなどに投資することを考えたらこれ一台でそこそこの画像得られますし、特別な撮影技術もいらないです。ただし撮った後の画像処理は遊ぶ余地はあるようです。でも DSO を撮影するだけなら非常につまらない気がします。だってこれらの天体って変化ないので、誰が撮っても同じ程度の画像得られるなら写真見るのと変わらないんじゃないかなと。

そう考えると自宅での DSO 撮影ってどこに向かえばいいんだろ?

という疑問が沸々と。すっごい画像を狙うなら機材もさることながら撮影場所も変えないとなので両方ともちょっと自分には難しいかなと。ま、現状の機材で場所で楽しもうかな。

ということで最近は刻々と変化が見られる惑星や太陽の方が魅力を感じてきました。

2023/12/09

木星を撮る2023年度版 (自動導入とトラッキング)

みなさんどんな感じで天体導入しているのかわからないんですが、もっといい方法あったりしたら教えてください。と前置きしておきます。

これを書いてる時点で MAK127 と AZ-GTi のセットを買ってもう4年目(遠い目)。コロナ禍をきっかけに天文ほぼ素人から始めて、いまだにわからないこともいっぱいあるのですが、今年2023年は木星を撮影しまくり、ようやく撮影がルーチンワーク的に進められるようになってきました。そこに至る経緯と現状について MAK127+AZ-GTi での観点からメモしておきます。ちなみに今年の木星シーズン初めの頃はまだモタモタしてました。というのもそれまでは撮影するのが一苦労でワンシーズンでそれほど撮影してないんで色々向上しなかったと。

ところで撮影環境は東京都内西部(環七と環八の間らへん)の自宅です。自宅は北極星がギリギリ視認できる程度の光害レベル。従って MAK127 付属の x1 のドットファインダーのみではよほど明るい天体でないと導入できないへなちょこなので、自動導入という仕組みがなかったら望遠鏡買ってなかったなーと。望遠鏡は撮影ごとに出したりしまったりするので毎度毎度前事前準備が必要です(ベランダに置いた収納ボックスにカメラ以外の望遠鏡一式が入れっぱなしなのですぐ出せはしますが)。

いいんかこれで?でも機動力優先!

また自宅は木造建築なので、望遠鏡を出してるベランダが揺れやすいだけでなく(家族が家の中でドタドタしても揺れる。。)、立っている位置を変えると導入している天体が簡単にズレます。高倍率の時は最悪です。

過去の経緯1

MAK127+AZ-GTi を初めて買った年は右も左もわからずググって接眼レンズを通してカメラ撮影できるらしいということを知り、MAK127 に付属の接眼レンズを拡大撮影用アクセサリー を通し、D750 を接続して撮影に挑んでました。ファインダーは MAK127 に付属のドットファインダーのみです(後で色々変える)。手順は以下でした。ちょっと思い出しながらなので正確じゃないところもあるかも。基本的にはファインダーを調整しておく。天体を導入したらとにかくファインダーを再調整しておく。途中すっ飛んでも大丈夫なようにとにかくファインダーはこまめに調整しておく。で、今でも流れは変わってないです。

拡大撮影用アクセサリーと 20mm のアイピース


天体の導入

  1. 20mm のアイピースでファインダーの調整
    適当な地上の目標を使い、20mm のアイピースで目標を導入(カメラなし。眼視で)します。AZ-GTi に SynScan App で接続し、方向キーで目標を正確に視界の中央にします。ドットファインダーを目標に合わせます。ここも極力正確に。

  2. 10mm のアイピースでファインダーの調整
    更にアイピースに変えてさらに追い込む。ピントが合う位置がズレるのでピント調整しなおし。

  3. アライメント
    ファインダーの調整が終わったらAZ-GTi のアライメントを行います(1~2スター。状況に応じて。3スターまではやってないです。対象の天体が見えなかったりわからないケースが多いので)。まずは AZ-GTi の水準器を見て水平に。そして経緯台モードなら望遠鏡も水平(スマホの水準器とか使うと便利)、スマホのアプリなど使って北の方向に向けておきます。スマホのアプリって毎回微妙に方向変わったりと正確に合わせるの難しいです。もうざっくり。ちなみに自宅から北極星は見えるので、だいたいこっちかなーと微調整するときもあります。ここで忘れないようにするのが、AZ-GTi の高度と方位クラッチのネジをきっちり締め直すこと!たまにネジが甘くてトラッキング時にあれあれ?となったりします。あとファインダーを触らない!ちょんと触ってズレて後で使えなくなることもしばしば。ちなみに付属のドットファインダーの調整ネジや本体は遊びが多いのでテープでぐるぐる巻きにしてみたりと少し工夫してます。

    ようやくここでアライメントを開始するボタンをクリック。アライメント先の天体がだいぶ離れたところに導入されてたりします(いつも思うんですがこんなもんなんですかねぇ。。それなりに水平と北向きは合わせてるつもりなんですが。自分のいる位置によってベランダが歪むのも一因だとは思うんですが)。流石に x1 のドットファインダーの視野には入っているので、覗きながら赤ポチを天体が中央になるように AZ-GTi の方向制御ボタンをポチポチしながら導入します。続いてアイピースを覗き、天体がセンターになるように調整してようやくアライメント終了。念の為、最後に合わせた天体でファインダーを再調整しておきます。

  4. 自動導入
    ようやく目的の天体を導入。導入直後はほぼほぼズレているので、ファインダーを覗きながら赤ポチに天体が入るよう AZ-GTi の方向ボタンをポチポチします。これでアイピースを覗いた時に天体が真ん中に導入されていればラッキー。見つからなかったら AZ-GTi を操作しながら周囲を探しに行きます。ファインダーの赤ポチで天体の周辺をぐるぐる探す感じです。見つかったらアイピースで覗いてセンターに移動、ファインダーも再調整です。ファインダーの調整は結構荒いので、赤ポチと星をちょうど重ねるのは難しいかもしれませんので、赤ポチのやや左側とかそんな感じでセンターになった場合どこら辺に合わせて置いたか記憶しておきます。ちなみにファインダー覗いて位置合わせを追い込むので暗い天体は厳しいです。うちの場合、土星でやや厳しい。

  5. カメラ装着
    鬼門です。アイピースを外して拡大撮影用アクセサリーに差し込んで、D750 と接続したものを差し替えます。カメラが結構重いのでせっかく天体を導入していてもすっ飛びます。経緯台の場合主に高度方向にズレるだけなので上下させるだけですぐ導入できる場合がありますが、ファインダー覗いて赤ポチを頼りにズレを戻すと導入しやすいです。カメラの感度もガンガンに上げておくと漏れ出てくる光でなんとなくそっちに天体があるかもというのがわかる時があるので、それを頼りに導入を行います。それでも導入が厳しい場合は 10mm -> 20mm のアイピースに戻して広い範囲からセンターに順に追い込みます。ただこの場合ピントのずれが大きくてピントを再調整する必要があったりするので、ピント調整で望遠鏡がグラグラするので辛いです。今思えばファインダーの調整、アライメントの段階からカメラ装着して位置を追い込んでも良かったなと思います。最近はいきなり高倍率状態でアライメントしちゃいます。

トラッキング

導入が終わると自動的に追いかけてはくれるのですが、放っておくとそのうちずれていきます。撮影中もつーっと流れていってしまうことがあるのですが、撮影範囲にはいっているのならばそこは気にせず、SynScan App の方向キーでちょこちょこ真ん中らへんになるように修正をかけていきます。高価な赤道儀だとここらへんどうなんでしょうか?極軸しっかり合わせてると AZ-GTi よりはだいぶマシなんですかねぇ。自分の場合は撮影中はつきっきりでした。なので一回の連続する撮影だけで疲れちゃいます。デローテーション用に複数のデータ撮るのは至難の業でした。初めて長めのアニメーション用の撮影したときは2時間ぐらいつきっきりでしたし。ちなみにある程度撮影範囲をふらふらするデータでもスタックする際もしくはその前に PiPP のようなツールでセンタリングさせてしまえば問題なくスタックできます(PiPP が最近 Web から消えた。。非常に困る)。流石に風が強くてブルブルしているようなケースではうまく行かない場合もありますが。
SynScan App での方向キーでの架台のコントロールは PC のゲーム用コントローラーで行うことができます。少なくとも PC の SynScan Pro App 最新版では。PC の画面をマウスでクリックしたり、携帯の SynScan App を指で制御するより明確でわかりやすです。もしゲーム用コントローラをお持ちでしたら試してください。Windows だと有線でも無線でもどちらでもOKでした。

過去の経緯2

天体の導入

MAK127 購入一年後には撮影機材が進化して、アイピースはバローレンズ(x2) になり、カメラは D750 から ASI462MC という惑星向きの非冷却カラーカメラになりました。基本的にはカメラが劇的に軽くなったので、カメラの装着で大幅にズレるという問題は解消しました。バローレンズ x2 も入れたりと拡大率が高くなってしまったので導入に苦労するようになりました。バローレンズなしで合わせて、バローレンズを入れて導入してましたが、ドットファインダーを調整したつもりでも、赤ポチのどこに天体を合わせるとカメラの視界に入ってくるのかわかりにくくなったり、バローレンズの入れ替えでピントの再調整があったりと、天体を導入することが億劫になり、モチベーションがだいぶ下がりました。しばらくそんな日が続きます。

それを変えたのがファインダーでした。ドットファインダーから 9x50 の照明付きファインダーに交換しました。これが ASI462MC を導入したのと同じ年。これは劇的に効きました。まずレンズがないドットファインダーに比べ拡大してくれるのと、ドットではなく細い二重のクロスゲージでセンターを表示してくれるので、ガイドがドットファインダーの赤ポチのように天体に被らないので、目的の天体を真ん中に置いていることがわかりやすくなりました。また天体の周りにクロスゲージがあるので天体がカメラに入ってこない場合にどこらへんを探索しているのかがわかりやすくなりました。副次的にいままで見づらかった土星もはっきり見えるようになって土星の導入もだいぶ楽になりました。このころから低倍率からだんだん高倍率にして導入することもなくなり、いきなり高倍率状態(ASI462MC にバローレンズ x2 を付けた状態)からのアライメントをするようになりました。ただし、それを行うには今まで以上に最初のファインダーの調整をシビアにするようになりました。アライメントの方も撮影中だけマニュアルで微調整するから 1スターでいいやと雑にもなってきました。

過去の経緯3

天体の導入

ファインダーを導入して高倍率時の天体の導入はだいぶ楽になりましたが、一つ困った問題が発生しました。アライメントです。導入したファインダーの倍率だと最初のアライメント時にターゲットの天体がファインダーから外れてしまうことが度々おこりました。仕方ないのでアライメントを開始後に、望遠鏡とターゲットの天体の方向を目視で確認して、SynScan の方向キーでおおよその方向を修正ののち、ファインダーの視界に入ってきたらファインダーを覗きながらアライメントを進める。という手順でした。
次の改良はファインダーを複数載せるでした。3スロットスターポインター(という名前だったらしい三又のファインダー台座)を導入です。これ買った時は2000円ぐらいだったんですが、久しぶりに見ると高くなってます(類似品見つけた方がいいですね)。これを導入したらアライメント時にはドットファインダー見ながら大まかに架台を制御して、続いて高倍率ファインダーに切り替えて追い込むと、ファインダー二つの調整が必要なものの、安定して確実に導入していけるようになりました。これの導入には別な目的もあって、当時はまだ行っていなかった AZ-GTi を赤道儀化したときのファインダーの位置解消にも使えると思っての投資でした。AZ-GTi は赤道儀を使えるファームにすると経緯台モードの時に左側に付けていた MAK127 が右側につけるようになってしまうので、ファインダーをつける位置が左下ととても見えにくくなってしまいます。三又のファインダー台座で少しは改善が可能です。

二連装

2023年度

天体の導入

ファインダーの改善

2022年は特に進歩もなく、そして現在。ファインダーを二つ調整する面倒くささと、三又のファインダー台座がそこそこ重いという問題がありつつも導入もルーチンワーク化して特に大きな問題とは思ってませんでした。

ところが、YouTube で電視ファインダーの作成なるものを見つけてしまいました。これはーと思って早速作ってみたら、うん、これは世界が変わるでした。それが2023年9月末。惑星のシーズンも終盤にさしかかったところでした。電視ファインダーの導入で変わったこと、
  • 無理な姿勢でファインダーを覗く必要がなくなった
  • 焦点距離を短めにして広範囲を表示してアライメントに迷うことない状態にし、導入で追い込む時は電子的に拡大してとファインダーの焦点距離を擬似的に複数持つことができてファインダーを一つに集約できた
  • ファインダーは PC で確認できるようになったので、別な PC からログインするというリモート活用ができるようになった

ドットファインダーの頃から
ファインダーの調整に1km ほど先にあるマンションの赤色灯を利用してます


左が FireCapture の ASI462MC x2.5 のバローレンズがすでに付いてます
右が SharpCap の Ceres-C (電子ファインダー) x800 の最大倍率での合わせ込み中

電視ファインダーをこんな感じで合わせ込みをしてます。表示したクロスゲージのど真ん中になるよう電視ファインダーのネジを調整しておきます。

トラッキング

今年は電視ファインダーの導入で急激に色々なことが変わり始めました。次に課題となってたのが、トラッキング。これも改善してしまいました(電視ファインダーとは関係ないんです。FireCapture です)。電視ファインダーを導入する前まで惑星の撮影は SharpCap 無料版で行っていましたが、ついでに FireCapture に変更しました(SharpCap 買い切りなら購入してもいいんだけど、毎年払うのは嫌だなと。で購入には至らず)。FireCapture はフリーでありながら惑星撮影には便利。導入に成功したら SynScan を ASCOM で FireCapture で接続し、Autoguide をオンにしておけばあとはその場を離れても FireCapture が撮影映像の木星が中心になるように AZ-GTi を自動で制御してくれて、ずっとトラッキングし続けてくれます。これでもう安心。撮影に集中できます。ROI(撮影範囲)を極力狭くして FPS を上げることもできますし、ピントを心ゆくまで追い込んだり、デローテーションのために複数回数撮影したり、ゲインや露出を変えるのを試したりなど色々やりやすくなりました。しかも PC は 家庭内 LAN に WiFi 接続してるので、離れた居間で暑さ寒さや蚊に悩まされることもなくビール片手にシーイングが回復するのを待つとか、雲の切れ目を待っての撮影などとても快適な環境になりました。良さげだなーとおもったら Autorun でポチッとワンセット撮ってしまいます。

赤丸で囲ったのが Autoguide のボタン
Autorun で撮影中の画面

おしまい。

2023/09/08

ATOM SPP を作ってみた (Bluetooth SPP を使った WiFi とは違う AZ-GTi の無線化)

はじめに



だいぶ前に SynScan USB を作ってみた。という記事を書きましたが、今度はその無線版です。

作ってみたものの、なんか通信エラー出るなと思ってたんですが、ファームを変更し、Windows のシリアルの設定を変更したらまぁまぁ安定するようになってきた気がします。でもまだまだ感は否めず。

AZ-GTi はもともと WiFi (無線)で接続できるのに何それ?と思うかもしれませんが、AZ-GTi に WiFi 接続する方法は二つあって、AZ-GTi を WiFi のサーバーとして携帯もしくは PC を接続する方法と、AZ-GTi を既存の WiFi ネットワークにぶら下げて、携帯もしくは PC からそのネットワーク経由で AZ-GTi に接続する方法の二通りがあります。

前者だと AZ-GTi がサーバーになってしまうので接続した携帯または PC は外部ネットワークに接続することができなくなってしまいます。後者だと WiFi ネットワークの電波が AZ-GTi を動かしたい場所まで飛んでいないと使えないという不便さがあります。

したがってその不便さを解消するために今までは AZ-GTi を接続するのに SynScan USB (もどき) でシリアル+USB ケーブルにて接続していました。ケーブル接続の方が無線より確実!かもしれないのですが、アライメントをとってる最中とか、導入先を変えるときに PC を持って移動するとケーブルひっかけて接続が切れる。。ことがたまにありました。なので大量のデータを流すカメラはともかくコントローラ程度に対して有線にこだわりは全くなくて。

ちなみに架台さえ対応していれば SynScan Pro で BLE でも接続できるようですが、AZ-GTi は対応してなさげですね。

Bluetooth SPP

では別な無線化の方法を提案してみます。まず AZ-GTi とは HAND CONTROLLER のポートを使ってシリアルで通信ができるのでこれを利用します。Bluetooth には SPP という Bluetooth を介してシリアル制御を行えるという通信規約があります。これをサポートするモジュールを HAND CONTROLLER ポートに接続することによって Bluetooth 経由でシリアル接続することができます。PC でこれらモジュールを Bluetooth デバイスとして追加してあげるとその後はあたかもシリアルポートが追加されたように見えます。Windows だと COMxx、macOS だと /dev/cu.xx のような感じで。


制作

それほどは難しくないです。Bluetooth SPP をサポートするモジュールを用意して、HAND CONTROLLER のポートにつなぐだけです。今回は手持ちの ATOM lite (M5Stack) を使いました。スイッチサイエンスさんなどで入手できます。便利につかうには電源を HAND CONTROLLER ポートからいただくので、三端子レギュレータ(またはDC-DCレギュレータ)も付けます。

部品

ATOM lite (スイッチサイエンス) ... 1,496yen

低損失三端子レギュレーター 5V 500mA (秋月電子) ... 100yen
もしくは BP5293-50 5V 2A (秋月電子)... 240yen こちらの方がおすすめ。

6極6芯モジュラージャック DIP 化キット(秋月電子) ... 100yen

基板(適当)(秋月電子) ... 40yen

ピンヘッダ 1x40 (秋月電子) ... 35yen

半田少々

線材少々

モジュラーコード 6極4芯 (絶対4芯あるのにしてください)

ファームウェア

ATOM lite のプログラムです。すっごく簡単です。RX を 19, TX を 22 ピンにアサインしました。AZ-GTi とのシリアル通信は 9600bps, 8bit, パリティなしです。また ATOM-SPP という名前のデバイスにしました。loop() の delayMicroseconds(105) は ATOM->AZ-GTi のデータ転送速度が間に合うよう 1/9600sec の wait を入れてます。もう少し短くしてもいいかもしれないけど。delay(1) だと 1ms で長すぎで、AZ-GTi からのデータが多いと取りこぼす可能性あるのかなと。

/*
*******************************************************************************
* Copyright (c) 2023 by Tatsuro Sato
*
* describe:ATOM SPP module
* date:2023/9/6
*******************************************************************************
*/
#include "M5Atom.h"
#include "BluetoothSerial.h"

#define RX_PORT 19
#define TX_PORT 22
#define AZ_GTI_SERIAL_SPEED 9600

BluetoothSerial SerialBT;

void setup() {
  M5.begin(true, false, true);
  Serial2.begin(AZ_GTI_SERIAL_SPEED, SERIAL_8N1, RX_PORT, TX_PORT);
  SerialBT.begin("ATOM-SPP");
  M5.dis.drawpix(0, 0x000099);
}

void loop() {
  if (SerialBT.available()) {
    Serial2.write(SerialBT.read());
  }
  if (Serial2.available()) {
    SerialBT.write(Serial2.read());  
  }
  delayMicroseconds(105);
}

回路図




接続は、
  • モジュラージャック 2 pin (TX) - ATOM lite G19 (RX)
  • モジュラージャック 3 pin (Vpp+ 7.5~14V) - TA48M05F(BP5293-50) 1 pin (input)
  • モジュラージャック 4 pin (RX) - ATOM lite G22 (TX)
  • モジュラージャック 5 pin (GND) - TA48M05F(BP5293-50) 3 pin (GND) - ATOM lite GND
  • TA48M05F(BP5203-50) 2 pin (5V out) - ATOM lite 5V
これにコンデンサ二個つけるだけです(BP5293-50 の時はいらない)。
すいません、最初にアップした回路図の TA48M05F のピン番号 2 と 3 が逆でした。真ん中が 3 です。ちなみに TA48M05F は 12V->5V と結構電圧降下があるのでとても熱くなります。Rohm の BP5293-50 に変えてみたのですが、外付けのコンデンサは無くてよく、熱くもならないのでこちらの方がお勧めです。端子は同じなので置き換えるだけ。若干大きいのがいまいちですが。

使い方

  1. AZ-GTi に上記モジュールを接続し、電源を入れる
  2. PC で Bluetooth のデバイスの追加を行う
    ATOM-SPP というデバイスが見つかるのでそれを追加する
    macOS の場合、一旦接続になり数秒で切断されるが気にしない。
    通信を再開させると自動的に接続される。
  3. PC のデバイス設定を確認する
    • Win
      デバイスマネージャーのポート(COM と LPT)に Bluetooth リンク経由の標準シリアルが二つ追加されている。どっちが有効かわからないので両方ためしてみる。
    • macOS
      ターミナルソフトなどで ls /dev とやると、cu.ATOM-SPP というのがみつかるはずです。
  4. SynScan Pro を立ち上げ設定をする
    設定→接続の設定→ Serial Port に設定します。


    • Win
      上記で調べた COMxx を選択します
    • macOS
      /dev/cu.ATOM-SPP
      を書き込みます
  5. 接続
    接続する
    で接続できる。。と思います。

あれ?接続できない?不安定かも?と思ったら

まだ検証開始したばかりなので何とも言えないんですが、OS では認識してるっぽいのに、SynScan Pro で接続できない場合がありました。何度か接続を試すと繋がります。繋がったらほぼ安定している感じです。

対処1
デバイスマネージャーで、シリアルの通信速度確認してみてください。115200 にしてください。ほかの設定も合わせること。8ビット、パリティなし、ストップビット 1、フロー制御なし。


対処2
詳細設定から、FIFO バッファーの設定を変えます。どちらかを試してみてください。
まずは受信を最大。送信を 1 にする。


FIFO バッファーを使用しない。


AZ-GTi は 9600bps, SPP は 115200bps と速度が違うので、取りこぼしがないように受信にはバッファを設けた方がよさげな気がします。送信はたまったデータが一気にいかないように 1バイトにした方がいいのかな。。というのが前者の設定。

対処3
Windows の SynScan で、COM ポート名に文字化けした文字列がくっつくケースがあります。この部分を削除した値を設定してください。




2022/10/31

AZ-GTi をついに赤道儀化(激安バランスウェイトの自作含む)

はじめに

AZ-GTi を MAK127 とセットで買って 2年と4ヶ月ほど。ついに赤道儀化です。やってみてしまえば仰々しい赤道儀化という名前ほど大したことはなかったのですが、

  • ファームを入れ替えると Right Arm になってしまう(赤道儀モードは Right Arm のみ)
  • 微動雲台やバランスウェイトや極軸望遠鏡(いるの?)の追加費用
  • 赤道儀の経験ゼロなので色々不安!!!
  • 経緯台モードで惑星撮影十分楽しめてるからいいじゃん

を考えるとなかなか手を出せない(出さなかった)という状況でした。
特に Right Arm 仕様は困ったもので、セットになっている MAK127 は経緯台モードで MAK127 のファインダー側から見ると AZ-GTi の左側にセットするようにできています。ガイドスコープが MAK127 の左上に乗る位置です。

こんな風にセットします(二つ載せてますが。。)

普段は風や周囲の明かりを避けるため、三脚は一番低く、地べたに座って運用してるので、Right Arm になってファインダーが右斜め下についてしまうとファインダー覗くの非常に大変。。これが一番躊躇してる理由でした。でもオリジナルのファームに書き直せばいいんだよね?と思ったらまぁダメなら戻せばいいかと気が楽になりました(まだ試してないけど)。そもそもオリジナルのファーム公開してるの?ということころも分かってなく、無駄に不安がってましたが、Right Arm 版だけでなくオリジナルのアップデートもダウンロードサイトに置いてあります。

追加費用は赤道儀の経験及び AZ-GTi の赤道儀モードの使い方がわからないので、なにがどこまでいるのかわからず、投資したものの全く使い物にならないとイタイなと。AZ-GTi の極軸望遠鏡の運用ってどうよ?というところから未知で。最低限微動雲台はいるものの、載せる望遠鏡やカメラ次第ではバランスウェイトもなくても使えなくはないなという感じです。ちなみに追加費用はスカイメモSの微動雲台が一番高くて Amazon で 13000円程。バランスウェイトには 1500円ほどを費やしましたのでトータルで 15000円以下。

赤道儀の運用経験ゼロなので、というのも不安要素。どうやって極軸合わせするんじゃーいと思ってましたが、北極星がなくても極軸合わせができるということがわかりこれも解決(極軸望遠鏡すらいらない)。しかも自動導入もできるので経験ゼロでもどうにかなる。

というわけで 2022年の例年に比べて 10月中旬までの長い惑星撮影期間が終わった(シーイングが明らかに悪化)のを機会に赤道儀化に挑みました。

そもそも赤道儀化をやってみたかったのは憧れのアンドロメダ銀河を撮影してみたかったので。ちょうど一年ほど前に試したことがあるのですが経緯台モードだと撮影した像がぐるぐる回転してしまいます。都内からの撮影ですぐに飽和してしまう長時間露出は出来ないので短時間露出では経緯台でもいけなくはないのですが、撮影した像が回転するとスタック時に使えるのは真ん中のみになってしまうので困ります。なので赤道儀で撮影したかったわけです。

まだ二晩ほどの運用ですが、赤道儀のメリットを享受することができました。像が全然回転しないし、経緯台モードより露出伸ばしても星が流れないです。当たり前か。ただ以前に経緯台モードで撮影したときもうっすら感じてたのですが、光害カットフィルターが無いせいか地上側が処理した後に明るいんですよね。。次はそこが気になります。

AZ-GTi の赤道儀化

は簡単です。

ファームの入れ替え

スカイウォッチャーのファームウェアダウンロードの場所()に行き、SynScan USB ドングルまたは SynScan hand コントローラーを使ってファームをアップデートするツールか、WiFi を使ってアップデートするツール (Windows 用しかない) のいずれかと、赤道儀対応の AZ-GTi のファームのふたつをダウンロードしてきます。

Windows のアップデートツール
  • Windows program: Motor Controller Firmware Loader
  • Windows program: Motor Controller Firmware Loader - WiFi
いずれかひとつ。上が SynScan USB などケーブルで Windows マシンからダウンロードするバージョンです。

AZ-GTi のファーム
  • Firmware: AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode
これ持ってきます。ちなみに元に戻したい場合は、
  • Firmware: Universal DC Motor Driver with Built-in Wi-Fi
をダウンロードします。試したことないけど。書き込みは自作ケーブルで行いました。もともとのファームのアップデートかけたり赤道儀化のファームを書いたりと特に問題なく行えています。

ファーム書き込みツール (SynScan USB などを使う版) はダブルクリックすると以下のようなウインドウが現れるので、ケーブルを接続し、電源を入れ、ファームを選択したら Browse から別途ダウンロードしたファームを選択し、


Update ボタンを押すとアップデートが始まります。そこそこ時間かかります。アップデートの前後で MC Version でバージョンが変わったことを確認してみると良いかもしれません。ちなみに赤道儀有無で MC Version は変わらないようなのでどちらが入っているかこのボタンはわかりませんでした。

赤道儀化できる微動雲台を付ける

これも対応する微動雲台を用意できれば接続するだけです。ケンコーのスカイメモS用の微動雲台を入手してそれに載せました。アリガタを AZ-GTi の底に付けるのですが、AZ-GTi の底にある凹みの利用方法がわかりました。滑り防止なんですね。


あと注意点がひとつ。アリガタを固定するノブが AZ-GTi に干渉します。半径が十分小さいものに変更するなど工夫が必要です。ノブを削って小さくしてしまう人もいるようです。


自分の場合は、頭が6角の M8 のねじに交換しました。雲台を三脚に載せ、AZ-GTi を雲台に固定します。ちなみに雲台には角度表示のメモリがあるのですが、90° - 現在の緯度 (35°ぐらい) を引いた値のところに合わせておきます。

バランスウェイト・シャフト

実際に Nikon D750 と 300mm のズームレンズを載せ、方位角ノブ(上記写真で、交換したねじの上にある小さな黒いノブ)を緩めるとそれなりに重量があるのでクルンと回ってしまいます。これは、、ということでバランスウェイトを取り付けようと思い、シャフト自身は 12mm のねじが切ってあれば繋がるということがわかっていただけで、急遽近所のコーナン(というどちらかというとプロ向けのホームセンター)に行って使えそうな部品を漁ってきました。なんだかんだで全部で 1500円弱といったところ。うまくいけばラッキーです。

12mm ネジが切ってある 285mm の棒と、M12 の滑り止め付きのナット(普通のナットの片側が裾が広くなっていて滑り止めように溝が切ってある)、そしてウェイトに使えそうな穴のあいた四角いそこそこ重量のある板(Z角座金というらしい。80mm x 80mm x 9mm)が売っていたので、複数の板を組み合わせてウェイトがわりにすることにしました。座金に空いている穴は 12mm のシャフトに対し 18mm ぐらいと随分大きく、スカスカしてます。ネジで締めるとそれほど気にはならないのですが、3D プリンターを持っているのでスペーサーを自作しました。


重量は 5枚で 2kg ほど。サイズ感もちょうどいい感じです。重さは枚数で適宜調整できるので試してみて適当に変えてみようと思います。最終的には座金はバラバラしてると扱いにくいのでビニールテープでぐるぐる巻きにしました。気持ち固定用のチョウナット、ほとんど意味のない脱落防止のエンドのナットを追加して出来上がりです。


ビニールテープを巻いた後だと座金を止めている滑り止め付きのナットが座金にピタッと張り付いて座金がスムーズにくるくる回るようになりました。


クルクル回りすぎるのでチョウナットを追加したのですが、きっちり締めないと動いてしまいます。まぁネジなんで簡単に大幅にずれたりはしないからいいですかね。

運用

運用というほどではないですが、我が家のベランダの場合、北側の空は視界が開けてます。まずは水準器できっちり水平を取り、あらかじめ以下のようなポジションにセットして、せっかくなので北極星をマニュアルでざっくりと導入しちゃってます。都内だと天候にもよりますが北極星は肉眼でギリ見えるか見えないかぐらいですが、どうにかこうにか。

このポジションでいいんですよね?
きっちりホームポジション?に合わせる方法わからないのですが。。

マニュアルは読んでないので、、人様のブログ(ありがとうございます!)によると赤道儀として使う場合は SynScan Pro の 2スターアライメントを推奨しているようです。その後、SynScan Pro のユーティリティー→アドバンスド→極軸アライメントを選択すると、基準となる星を導入(2スターアライメントに使用した星を推奨)し、緯度の調整(微動雲台のノブで中央に調整)、方位の調整(微動雲台のノブで中央に調整)を行うと完了です。最初に北極星をなんとなく導入しておきましたが、だいたいの方向でよいらしいです。少なくとも緯度がきっちり合わせられてれば大変じゃないような。ところで調整最後ど真ん中にならないのは調整不足?ちなみにスカイメモSの微動雲台の方位の調整のネジ片方を緩めてもう片方をねじ込んでの調整はちょっと固めでした。

あとは自動導入でもなんでもござれです。赤道儀、撮影した画像が回転してなくて感動です。ぼちぼちいろいろと撮影試してみます。



2020/08/29

SynScan USB を作ってみた

AZ-GTi が ASCOM でコントロールできるらしいので、Windows PC に有線でつなげるようケーブル自作してみました。

Windows10 の SynScan pro で操作しているところ

最近はコンパクトにしました

作成自身はとっても簡単です。

3.3V インターフェース (TX, RX が 3.3V と言う意味)の USB シリアル変換モジュールと電話のモジュラージャックのコネクタを接続するだけ。

最初試した時には手持ちの部品と、モジュラージャックコネクタを持ってなかったので、電話線をぶっちぎって USB シリアル変換モジュールに繋げてましたが、ちゃんとした部品揃えて半田付けしました。

部品は秋月電子の通販で揃えました。送料500円かかるけど電車代(うちからだと往復でIC754円)考えると、まぁどっちでもと言う感じです。ちなみにコロナの今だと秋月の開いている時間が短いので平日は無理。

部品表

  • 6極6芯モジュラージャックDIP化キット ... 100円
  • FT234X 超小型USBシリアル変換モジュール ... 600円
  • 片面ガラスコンポジットユニバーサル基板 ... 60円
これだけ!

ケーブル類除くと上記だけ(内税)。SkyWatcher の正規品?市販品が実売 1800円 ほど(外税)。安そうに見えるけど、ケース無し、工作の手間がかかることを考えると普通の方は市販品で良いのではないかと。工作好きなら作ってください。

ちなみに USB シリアル変換モジュールは FT234X を選びましたが、Windows 用のドライバーがある(大概あるでしょ?)3.3V インターフェースならなんでもいいんじゃないかなと思います。安くて小型なのでこれ選びました。

モジュラーケーブル(電話の)は4線または6線のストレートケーブルを選ぶこと。ケーブルを間違うと FT234X が死にます。家に転がってるケーブルで十分なのですが、2線のケーブルがあったりするのでちゃんと確認しよう。最初にモジュラージャックの端子の並び調べようとテスター当てて値が変だったのでケーブルみたら2線でした orz

4線ストレート

コネクタをよーく見るとケーブルが4本出ていることと、配線の色の並びが同じなのでストレートだと言うことがわかります。

ちなみに DIP 化キットのモジュラージャックの端子の並びは AZ-GTi の取説と同じです。

取説にこんなことまで書いてある?!

基板に実装するとちょうど良い具合に線を真っ直ぐ接続することができますので楽チンですね。

接続は以下の通り。写真裏面から見たときの並びで書いてます。

  • モジュラージャック 2 pin (TX) - FT234X モジュール 4 pin (RX)
  • モジュラージャック 4 pin (RX) - FT234X モジュール 3 pin (TX)
  • モジュラージャック 5 pin (GND) - FT234X モジュール 2 pin (GND)

です。GND は基準電位を合わせるためにちゃんとつなぎましょう。TX、RX はクロス接続です。互いに送信 TX を RX で受信すると。シリアルそのものは 9600bps 8bit パリティ無しのようです。

メモ:Vpp+ はバッテリー電圧(外部入力電圧)そのもの ~12V


寂しいけどこれだけでOK

モジュラージャック側の中ほどの開いているピン (3pin) は 12V が出ているので間違って他の線に接続したりしないように。IC 壊れます。あとクロスケーブルも刺さないように。Synscan communication protocol って公開されてるんですね。アライメント時などの最後のちょこっと修正にスマホやPCのソフトインターフェースはやり辛いんですよね。物理的なコントローラーで操作したい。あ、しまった、モジュラージャック DIP 化キットもう一つ買っとけばよかった。。

あ、一応、表面載せときます。


コンパクト版の裏面


補足

USB micro のコネクターがもげる事態が発生しました!スズメッキ線で補強したので、ほぼほぼ基板側のコネクタは大丈夫だと思います。ケーブル側のコネクタも補強しておきたいので、そのうち3Dプリンタで筐体作ろうかと目論んでます。製品版はType-B のごっついコネクタなんで、こういうことは起こりにくいんだろうなと思います。

も、もげた。。
端子はいきてるっぽかったので、半田しなおして、瞬間接着剤で固定。
小さく作ろうと思えばここまで小さくできます。

スズメッキ線強化!


FT232RL でもオッケーでした


おまけ

AZ-GTi の外部電源は 12V/1A 程度が丁度良さそうです。秋月のを使ってます (なんか新しくなってる。600円)。電圧は 12V が良いと思いますが、電流は 0.75A 以上ならなんでも良いと思います。









2020/08/14

Sky-Watcher MAK127 + AZ-GTi を買ってみた話

ついに買ってしまいました。望遠鏡。

望遠鏡は小学生の頃に祖父が買ってくれたビクセンのイカルス-6M以来。イカルス-6Mは微動ハンドルすら無い経緯台なので月、太陽、木星とハレー彗星をチラッと見た程度。中学の頃に望遠鏡とカメラを所有する友達が2人もいたので、多少の机上の知識はあるものの、観測技術もないままにいい年こいての購入になります(ちなみにイカルス-6Mは未だに所有してます。まだ使えるよ。使えないけど🙄)。


という背景もあり、以前よりうっすらと望遠鏡を所有したい欲を持ってはいたのだけど、いいお値段するし、望遠鏡置く場所も、観測する場所も、観測にホイホイと出かけられる家族の了解を得るのも難しく、、、と気付いたら随分と年月が経ってました。

そして数年前、偶然ポタ赤の存在を知り、東京近郊の悪条件でもそれなりの写真が撮れるらしいということを知りました。しかし都内に住んでいるので当然光害が酷く、北極星なんて。。な感じ。赤道儀なんて自宅ではとんでも無理。そしてしばらく悶々とする日々を過ごしていると、Twitter で偶然 AZ-GTi の存在を知ったのが今年2020年の5月頃。

AZ-GTi 経緯台は基準となる明るい星から1~3選んでアライメントをすると、自動で見たい星を導入できるようになるという優れもの。北極星に頼る必要もないし、しかも自分にとっては大口径の MAK127 とセットで安い!

7万円程度の破格の値段ということで、失敗してもいいやと気付いたら Amazon でポチッと買ってしまいました(販売元が日本の総代理店というのもあって安心して)。あとファームをアップデートすると赤道儀にもなるというおまけもついているところも魅力でした(赤道儀化はそのうち試してみる)。

買ったのは梅雨の直前だったので、結局本格的に稼働し始めたのは梅雨の開けたここ二週間ほど。AZ-GTi のアライメントや準備や撤収(と言っても自宅バルコニーなので楽)にも慣れてきて、いざ写真撮影にトライし始めたところです。あ、梅雨と言えば結局ネオワイズ彗星にはお目にかかれませんでした。


ところで自動導入いいね。またターゲットを常に追いかけてくれるので、見ているうちに視界から対象がずれないというのはとても楽です。

あと木星、土星もちゃんと見えたのには感動。だってイカルス-6Mでは木星の縞も土星のカッシーニの間隙も見えなかったからね。しかも都会の光害激しいところで。まだまだわからないことだらけなので、望遠鏡の使い方や、写真の撮り方に関しては目下天文ガイドやらWebでの情報収集に勤しんでます。